業種:メーカー / 従業員数:155人
開発グループ 岡田佳美さま
課題 | コロナ禍で集合研修が難しく、代替となる個々人がオンラインで学べる人材育成サービスを求めていた。 |
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打ち手 | ・職場への影響度が大きい管理職層のインプットを促す。 ・flierでスキマ時間をインプットの機会にする。 |
効果 | 要約からの学びや気づきをシェアできる「学びメモ」の習慣化により、新商品開発のインスピレーションが得られる。 |
――flierを導入された背景は何でしたか。
コロナ禍で全社的に行ってきた集合研修が難しくなりました。毎月の幹部会議でも、代替となる人材育成の手立てがなかなか見つからない状況でした。管理職としても従業員としても、「人材育成の歩みが止まってしまっている」ように思えて課題意識を持っていました。
そんななか、ビジネスマッチングエージェント様のご紹介で、flierのサービスを知りました。当初は、個々人がオンラインで学ぶ人材育成サービスについてほとんど知らず、不安もありました。ですが、flierの営業担当者さんのプレゼン力がすばらしくて、悩みや疑問に対処できるようなご提案をしてくださったおかげで、不安が払しょくされました。何より、何十万円も一気に支払うものではなく、お手軽な価格で始められるのも魅力でした。
そこで役員や総務の人材担当メンバーにも相談しました。私自身が運用をすることを条件に導入許可をもらえ、flier利用対象者の選定も任せてくださいました。研修を自分主体で設計し、運用するのは初の経験でした。
――岡田さんの自主的な発案から、flierの導入に至ったのですね! 人材育成に関して、当時どんな課題意識を持っていたのでしょうか。
まずは管理職のスキルアップが重要だと思っていました。弊社はものづくりの会社なので、生産性向上へと数値目標を掲げて改善するのは得意です。ですが、人材の「マインド」というソフト面に対しては、どう対処したらいいかわからないのが実情でした。
まずは上の人が変われば、一緒に働くメンバーにも良い影響を与えて、職場全体が引き上げられるはず。そんな考えから、管理職に「本をもっと読んでインプットしよう」と呼びかけたのです。
もちろん管理職ごとに悩みは異なるので、自ら必要なテーマの要約を選んでスキルアップの補強をしてほしいと思い、管理職に声をかけました。そこで手を挙げてくれた方にflierを利用してもらうことにしました。
――岡田さんがそうした課題意識を持ったきっかけは何でしたか。
当社では、次年度の目標について20項目以上のトピックを幹部同士で議論する場があります。そこでも、従業員のストレスや心の問題という大事なトピックをなかなか扱えていない状況がありました。働く人たちの心身が元気で、仕事に前向きなら、数字もついてくる。だから、みんなが元気に出社して帰社していくような職場をつくりたいという願いが、flierの利用にもつながったと思います。
――flier導入後、具体的にどのような使い方をしていますか。
導入の位置づけは自己啓発で、勤務時間以外に使ってもらうというもの。それだとなかなか時間がとれないだろうなと思い、昼休みにflierの使い方を質問したり、要約について自由にトークしたりできる時間を設けました。また、各自が要約を読めるような会議室などをとっておくと、そこに社長がふらっと見にきてくれることも。
実は、導入してみて、flierの利用率が一番高いのは社長でした。「めちゃめちゃ気に入っているやん」と嬉しく思いましたね(笑)。
要約を音声で聞ける機能が好評でした。お風呂でタオルをしいておくといいよ、などと使い方の共有が盛り上がりましたね。また、工場勤務の方の約9割は自動車通勤なので、音声でラジオみたいに気軽に聞けるのもよいようです。
私個人にも、インプットの重要性を感じたきっかけがあります。小学生の娘が2人いて、ワンオペ育児の状態で、「経営やマーケティングの本を最後まで読みきれない」と悩み、インプットの機会を求めていました。本を開くのは難しくても、flierの音声要約なら家事をしながら「耳のあいている時間」を学びの時間に変えられる。YouTubeの教育系の動画だと「ながら視聴」では理解が難しいのですが、音声の要約なら耳だけで理解できるのがよかったです。育児と仕事の両立に追われて「学ぶことを諦めざるをえなかった方」にも、flierをおすすめしたいですね。
――利用している管理職の反響はどうですか。
最初は利用してくれるのか不安でしたが、「思ったよりよかった」という反響です。気になる本を全部は読み切れないけれど、要約ならポイントが掴めるし、毎日新たに多様な本にふれられるので、普段手に取らない分野の本にも興味が広がったという声を聞きます。
最初は管理職層からスタートしましたが、その後、次世代リーダー層にも使ってもらおうと利用の枠を広げました。利用促進の一環で、食堂への図書コーナー設置をメンバーがしてくれました。四半期ごとにflierの要約で閲覧数の多かった本ランキングのなかから、まるごと読みたいオススメの本を利用者で投票し、No.1の本を購入し設置していました。従業員が読み終わった私物を提供してもらうなど、図書コーナーのバラエティは多岐にわたっています。
――flierでの「学びメモ」が新商品開発のインスピレーションの1つになったと伺いました。開発について詳しくお聞かせいただけますか。
(開発の経緯としては)コクヨ工業滋賀では、「あついアイディアをさめないうちに、すぐ形にする」というコンセプトで、「すぐつく」という機会を設けています。商品のアイディアを広く従業員から集めるものです。flierの利用をサポートしてくれていた従業員のアイディアを発端に、2022年7月、子ども向け「読書ノート」が生まれ、日本文具大賞2023 デザイン部門優秀賞を受賞することに。
そのころちょうどflier利用者向けの読書会で、要約のポイントを横罫線のノートに熱心にまとめているメンバーがいて、「読書ノート」の大人版があるとまとめやすそうだね、という声があがりました。初めは本の登場人物の相関図も書けるノートなどさまざまなレイアウトを考えていましたが、flierを利用するなかで、「得た知識や心に残ったことをシンプルに残せるほうがいいのでは?」ということに。学びのブックマーク・記憶の貯金として残せる大人の読書ノートが、2023年7月に発売となりました。
まさに「学びメモ」のアナログ版のような罫線のノートで、その名も「ブックマークノート」です。売上もよく、「文具のサブスク」でとりあげられるなど、様々なところから引き合いがあります。本から得た気づきや記憶を後から紐解けるようにという発想は、flierの「学びメモ」からインスピレーションを得られたのだと思います。
――素晴らしい開発秘話をありがとうございます。新商品開発につながった背景として、「こんなカルチャーや工夫が効いた」というのはありますか。
開発のチーム内だけでなく、営業部隊など他チームメンバーとの対話を大事にするカルチャーはありますね。特に開発の部門は、他の部門と連携するシーンが多いこともあって、アイディアを共有したり、率直に意見を言い合ったりすることもしばしば。他のチームからもよく「開発部門、楽しそうだね」と言われます。簡単にできて簡単に儲けられることはなかなかなくて、「一緒によりよい商品・サービスをつくろう」という想いや、「なんとなくいい」がつまった文房具をめざすというコクヨの精神が流れているのだと思います。
――最後に、岡田さんの人材育成に対する想いやビジョンをお聞かせください。
根っこにあるのは「学ぶことを楽しんでほしい」という想いです。大人になってからの学びは、実務に直結するようなテーマを掘り下げて、課題の解決や、新商品開発に結びつけられる。だから大人になってからの学びの方が、吸収率が高く面白いと感じます。
社内を見ていると、新しいことへの抵抗や恐れがあって動きにくそうにしているメンバーもいるように見えます。人生を豊かにするチャレンジを楽しもう、そうすると仕事ももっと楽しめる。今後も、そんなメッセージを社内に広めていけたらと思います。
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