フライヤー開始後、高水準の「学びメモ」活用。学びをシェアし合う風土ができた

株式会社ニチレイロジグループ本社

業種:食品物流 / 従業員数:4,893名(海外子会社含む)

ニチレイロジグループ

株式会社ニチレイロジグループ本社 人事部 板倉玲香さま

狙い ・中途入社が増えるなかで、学びたい人が学べる均等な教育機会が整っていなかった
・働き方改革以降、研修時間が従業員の皆さんの負担になっていた
打ち手 学びたい人に対して、自発的な学びを支援する
効果 「学びメモ」で互いに学びをシェアし合う風土ができた
※読んだ本の感想や学びを書いて社内共有できる機能

学びたい人に対してすぐに提供できるような
「均等」な教育機会を作りたい

――現在のお仕事内容を教えていただけますでしょうか。

私はニチレイロジグループ本社の人事部に所属しており、研修を中心とした教育やダイバーシティの推進を担当しています。ニチレイグループには新卒で2008年に入社しました。入社当初は今所属している会社とは異なるグループ会社におり、給与計算や社会保険といった人事業務を担当していました。その後、業務の幅を広げる意味から事業会社に行ってみたいと思うようになり、当時一番興味のあったニチレイロジグループへの異動希望を申告しました。その後異動希望が叶いました。

――御社が人材育成で大事にしている戦略・方針について教えてください。

ニチレイロジグループを含む、ニチレイグループ全体では5つの人財戦略を掲げています。その戦略の一つに「個人に即した学習機会」を提供するという項目があります。また、ニチレイロジグループでは独自の教育方針も定めており、2020年度にはそこに「教育機会の均等」という文言を追加しました。私は「均等」というキーワードを大切にしたいと考えています。若手向けの階層別研修は、入社1年目から3年目まで用意しています。しかしながら、新卒で入社した方が対象となり、中途採用で入社した方は研修の対象外となっています。そのほか用意している選抜研修の場合でも、選抜されない限りは対象外となることから、研修を受ける方法は階層で対象となるか、選抜されるかの2つしかありませんでした。以前は新卒で入社してキャリアを積んでいく方がほとんどでしたが、最近では中途採用の方も増えています。そのため、学びたい人に対してすぐに提供できるような「均等」な教育環境を作りたいと、強く思っていました。

働き方改革に伴い、自発的な学びを支援する教育を取り入れることに

――研修制度があるなかで、自己啓発を支援している背景を教えてください。

労働基準法の改正によって残業時間の上限が定められ、有給取得を推奨する動きがあるなど、働く環境が変化してきました。RPAなどを活用した事務業務の改善により、付加価値を創出する時間が生まれましたが、「研修が増えると現場は苦しい」という声が4~5年前から届くようになっていました。教育が社員の負担となってしまっている現状をうけて考えはじめたのが、自発的な学びの支援でした。また、社員研修の対象外となっている人でも学びたい意欲があれば学べる環境を用意することは、ニチレイロジグループの「教育機会の均等」という方針にもマッチしていました。

新しい教育の取り組みでしたが、何かに挑戦する社員をあと押しする風土が根付いているため、自己啓発の取り組みを提案した際には前向きな意見がほとんどで、あっという間に社内での検討が進んでいきました。

ユーザー満足度も高く、研修よりもインプットの効果が期待できた

――フライヤーを導入した理由を教えてください。

一部門でフライヤーを利用していたことから、フライヤーのサービス内容はもともと知っていました。そのため、要約を通じて読みたい本と出合い、他者と学びを共有するような利用シーンはイメージしやすかったです。また、利用している部門で行ったアンケートのユーザー満足度がとても高かったため、「これは一定の効果が見込めるね」と人事部でも話すようになっていました。

アメリカの研究機関が学習の定着度合に関する内容として発表した「ラーニングピラミッド」によると、一方方向の講義や研修の学習スタイルもしくは受動的な講義や研修の学習スタイルでの学習定着度は5%程度だそうです。一方で、読書の場合はその定着度が10%まで引きあがり、人に教える行為となると90%にまで引きあがります。今までの社員教育では予算と時間の多くを研修に割いていました。ですが、期待できる学習効果を考えると、一人ひとりが本からの情報に触れられて、学んだ内容を共有できる環境があることは、研修を超える効果も十分に期待できるのではと考え、自己啓発の取り組みの一環でフライヤーを選びました。
 

――利用の働きかけについて、心がけていることはありますか。

まずは一回でもフライヤーを利用して頂くことが第一だと考え、人事部でできる取り組みを行っています。たとえば、社内のイントラネットの掲示は繁忙期を避けて、定期的に新着情報として見てもらえるよう更新する工夫をしています。そうした取り組みだけでも、継続的な申し込みがあります。また、研修の際には講師が本を紹介するケースも多いため、そのタイミングでは必ずフライヤーを紹介しています。

新しいサービスや企画の開始時は必ずと言っていいほど、「案内を受け取った後に本人が何をすればいいか、一目でわかるようにしておいてほしい」と人事部長から言われています。フライヤーの場合は自動で案内メールが配信されますが、それだけにとどめず、担当である私から利用時の注意事項とともにログインを促す内容のメールをなるべく早いタイミングで必ずお送りしています。このタイミングを逃してしまうと、メールを見落とされてしまう可能性も高いためです。また初回のメールを送った後も、管理画面から取得できる「最新のおすすめ要約チラシ」を定期的に送っており、フライヤーを思い出してもらえるような工夫をしています。

書くことで要約に対する理解が深まり、
共有し合うことでお互いの刺激になる

――要約からの学びや気づきが投稿できる「学びメモ」の利用を推奨しているとお伺いしました。お取組みについて詳しく教えてください。

「学びメモ」の魅力は、要約に対する自分の理解が深まることと、他の人の学びが見られることです。私自身、要約を読んで分かった気になったものの実際はそうでもなかったという経験がありました。そういったことから、もう一工夫があると良いと感じており、要約でも本でも、読んだ後に自分の考えや学びをまとめると定着しやすくなるのではと考えていました。学びメモという機能はまさにそれを体現した機能だと考えています。他の方の投稿によって「この本、面白そうだな」という興味が生まれ、それが全体に波及していくイメージが持てたので、力を入れていきたいと直感的に思いました。

学びメモの投稿や他の人の投稿に対する絵文字でのリアクションについては、社員の皆さんに積極的に行うようお願いしています。何らかのリアクション(いいね等)があるとドーパミンがでるという研究結果を本で知り、自分も見事に当てはまっているなと感じ、そういった狙いでお願いをしています。積極的に学びメモを投稿している方に個別に連絡すると、「導入していただいて、ありがとうございます!」というメッセージをいただくことが多いですね。私自身、学びメモの投稿ランキングの上位を目指してたくさんの学びメモを投稿しておりますが、ヘビーユーザーの方が多く、1位にはなれずにいます。悔しい反面、担当者としては利用が活性化しているということでもあるのでとても嬉しいです。

学びメモがきっかけで
階層も所属会社も異なる社員同士の接点がうまれた

――学びメモを通じた印象的なエピソードはありますか?

面識のなかった社員同士がフライヤーをきっかけに接点を持てた素敵なエピソードがあります。研修期間にいち早く申し込んでいた新入社員の方が休日等の時間を使って要約をたくさん読んでおり、閲覧数で1位になっていました。短期間での利用が目立っていたので声をかけたところ、「板倉さん、この方が気になるんです!」と、たくさんの学びメモを投稿している社員の学びメモを見せながら話してくれました。偶然にも、その社員が他の研修を受講しに同じ建物に来る予定がありました。そこで、昼休みにその社員に引き合わせることになりました。所属しているグループ会社も階層も異なる全く接点のない社員同士でしたが、読書に関する話でとても盛り上がっていました。聞くところによると、いまでもその繋がりが続いており、仕事の仕方や考え方などを定期的に学ぶ関係が続いているようです。配属先では接点を持てなかった先輩と接点を持てたことは、新入社員の方にとって視野と人脈が広がるとてもいい経験になったと思います。

学びに対するイメージを手軽で楽しいものへと変化させていきたい

――最後に、今後のフライヤーの活用に向けた思いをお聞かせください。

今後、フライヤーの利用に関して力を入れていきたいと思っている点は2つです。1つ目は、利用者をもっと増やすことです。利用者が増えてきているものの、社員数と比較するとまだ一部なので、案内方法を工夫し、希望者を集める施策を考える予定です。2つ目は、社員の皆さんの学びに対する意識に変化をもたらすことです。

学ぶというと、時間がたくさん取られてしまう、辛いといった負のイメージを持っている人もいると思います。そうではなく、学びは手軽にできるもので、少しでもやってみると楽しめるかもしれない! といったイメージへと変化させていきたいです。仕事の成果につながるかどうかではなく、そういった意識の変化によって働く中で新たな楽しさを見つけたり、興味の幅や世界観が広がったりするなど、そうしたプラスの変化が起こると嬉しいなと思います。

私自身、産休育休を経て、仕事との向き合い方が大きく変わる経験をしました。以前までは、学ぶといえば終日の研修受講や資格取得といった負荷や難易度の高いものというイメージが強く、そういった学び方を選択していました。ところが出産後、いままでと同じように学ぶ時間が作れなくなり、学び方や働き方にも悩む時期がありました。そういった時期に手にした1冊の本が仕事の進め方を大きく変えるきっかけとなり、「隙間時間を使ったインプットを何かに活かす」という経験が自分の人生を豊かにしてくれました。形は様々かと思いますが、読書を通じて1人でも多くの社員の方々に何かプラスのものをもたらせるとしたら、人事担当としてこの上ない喜びであり、幸せなことかなと思います。

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