アンケート回答者の約9割がマネジメントの意識が変わったと回答

西日本旅客鉄道株式会社金沢支社

業種:鉄道業界 / 従業員数:24,300名 ※2024年4月1日時点

西日本旅客鉄道 金沢支社さま

西日本旅客鉄道 金沢支社 施設課企画課長代理 長谷川仁志さま 施設課企画 永野拓也さま

狙い 各事務所のワークエンゲージメントに偏りがあった
打ち手 ・個々人のワークエンゲージメントを高め、組織的な効果を得るうえで重要なマネジメント能力を強化する。
・マネージャーが本からの知見を手軽に活用できる環境を整える。
・本の要約を介したコミュニケーションにより、部下との会話の質を引き上げる。
効果 自身のマネジメント能力が向上したと回答した方は9割にのぼっている。

ワークエンゲージメントの高い職場には、学び続けているトップがいた

――現在のお仕事内容を教えていただけますか。

長谷川仁志さま(以下、長谷川):現在は、新幹線や在来線の設備点検などを担う技術部門の施設課の企画グループに所属しています。新幹線と在来線の技術部門はもともと別でしたが、2つの路線が関与する大きなプロジェクトである2024年の北陸新幹線の敦賀開業後、1つの施設課へと統合されました。また、過去には施設部門の採用担当をしておりました。

永野拓也さま(以下、永野):私も施設課の企画グループにおります。基本的に採用は人事課が担いますが、専門性の高い技術部門においては、該当部門での勤務経験のある人が採用に関与することがあります。その一環で、長谷川と同様に、私も設備部門の採用担当として働いていたことがありました。そのため、人材を会社の財産ととらえる長谷川の考え方には共感するところも多いです。

――flierを導入された背景は何でしたか。

長谷川:施設課の人財戦略の方針のひとつに、「ワークエンゲージメント(働きがい)の向上」という項目があります。私自身が働きがいについて深く考えるきっかけとなった一つは、コロナ禍での変化です。当社は人々の移動手段を支えている企業でありますが、その需要が減ってしまいました。これに伴い、新しいプロジェクト等が展開するスピードも大幅に落ち、会社全体に保守的な空気が流れていました。新しいことを創る等のチャレンジの機会が減るなかで、働きがいや、やる気を失ってしまう人や雰囲気がありました。

当社は、当社は、ワークエンゲージメントに関する調査を2023年より強化しました。一部の技術部門はワークエンゲージメントが低く出る傾向が続いていましたが、そのなかで、働きがいのスコアが高い部署がありました。スコアの高い理由を探るべく、その職場のトップに会いに行き、取り組みを聞いてみることにしたのです。すると、奥から分厚い本を出してきて、本から学んだ内容を部下とのコミュニケーションやマネジメントにも役立てていると話してくれました。そこで、本の知識は有用だと再認識するとともに、トップが向上しようとしている姿や学び続ける姿勢がその部署にいい影響を与えていて、働きがいの高さにもつながっているように感じました。ワークエンゲージメント向上の手段として、職場でも環境を作れないかと悩んでいたところ、フライヤーを知りました。

フライヤーは欲しい情報が欲しいタイミングで手軽に手に入る

――flierを選んだ決め手は何でしたか。

長谷川:私自身、数百ページもある分厚いビジネス書を読むうえで、本屋へ足を運び、本を選んで、さあ読もう! という気持ちを持ち続けるのは難しいと思っています。何か示唆を得たいと思ったときに、手元でさっと確認できる手軽さがあると、行動のハードルがぐっと下がりますよね。

永野:研修のように、複数名に向けて一律に学びを提供するスタイルは、一人一人にフィットしづらい可能性があると思います。その点、フライヤーなら個々人が本当に欲しい情報に対して、欲しいタイミングで手軽にアクセスできます。自分で選べるし、学びに対するハードルも低いというのが決め手の一つだと思っています。

チームの力を引き上げる役割をもつマネージャー層にこそ、学んでほしい

――マネージャー層を中心に利用している背景を教えていただけますか。

長谷川:専門性が求められる組織で共通することかもしれませんが、技術の専門性(研究職の要素)の高い人が、管理職となった際にぶつかる壁があります。メンバーとのコミュニケーションに長けた人がいる一方で、人を育てていくという側面が苦手な人もいます。私は「マネジメントの本質は、チームの力を最大化」することだと考えています。一人ひとりの才能を最大化させるためには、それぞれの個性を知り、それぞれに合ったコミュニケーションの取り方をする必要があると思います。学び続ける姿勢が特に求められるマネジメント層に対して、本当に自身にマッチする手法なのかは別として、まずは利用してほしいと考えていました。

永野:仕事を進めるなかでは、メンバーとの関係の質がとても大切だと思います。同じ仕事に向き合うにしても、相談や率直な意見交換がしにくい状況だと、物事を前に進めにくかったり、個人の力が発揮しづらかったりするため、場合によっては仕事の意欲がそがれてしまうこともありますよね。支社では「心理的安全性」というキーワードがよく聞かれるようになりましたが、個人の力が発揮できるような環境が整っていると、全体がとても働きやすくなると思います。
 

西日本旅客鉄道株式会社金沢支社さま

使い方を絞らないことで、それぞれに合った使い方が浸透してきている

――flier導入後、具体的にどのような使い方をしていますか。

長谷川:導入が決まった際、金沢支社副支社長の川村から、「使い方や目標などは定めず、まずは社員に自由に使ってもらい、活用方法にどのような広がりが出てくるのか見てみよう」と提案を受けました。これが奏功し、一人ひとりにあった使い方が浸透してきていると思います。特に、フライヤーを通勤中に使っている人が多いですね。要約を音声で聴けるのが通勤中にも便利なようです。

永野:本のジャンルでは、スキルアップ、キャリアといった、仕事との向き合い方にまつわる本を読んでいる方が多い傾向にありました。今のように社員に自由に使い、多様な知識にふれてほしい気持ちもありますが、今後は「読書プログラム」を活用して、特に読んでほしいマネジメント関連の本を推奨本として掲載してみようかと思っています。

管理画面から得られる総合データにより、学習時間や効果を社内に説明しやすい

――ご利用を促進するためのお取り組みを教えてください。

永野:管理画面を通じて、要約の閲覧状況を把握できることから、課内でよく読まれている本を全体の会議の場で共有しております。また、管理画面のなかの「人的資本経営関連項目」によって、フライヤーでの学びの総合的なデータが得られるので、それをマネージャー層にも共有しております。「通常の1日研修よりも効率的に、学習の時間や効果が担保できているね」という話も出ています。実際に利用して、どのくらい学びが生まれているかというデータを可視化することで、社内にも効果が説明しやすいですね。

長谷川:フライヤーの要約をきっかけとして知った本をマネージャー会議で紹介したところ、『任せるコツ』という書籍を部門で購入することにつながりました。トライアル的に行った取り組みですが、そういった学びを共有し合うような取り組みが広がればいいと思っています。

マネージャーの9割が自身のマネジメント能力が向上したと回答

――利用しているマネージャーの方々の反響はどうですか。

長谷川:一定期間の利用を経てアンケートを実施したところ、自身のマネジメント能力が向上したと回答した方が9割にのぼる結果となりました。私自身、チームメンバーに対して指摘やアドバイスをする際、本に語ってもらうようにするとコミュニケーションがうまくいくと感じています。本の知識を自分の言葉として語りすぎずに、「本にでも書いてあるように、○○って考え方もあるよね」くらいにとどめると、コミュニケーションに柔らかさが出てくると思います。フライヤーを使うことで、私自身のコミュニケーションの取り方のバリエーションが増えてきています。

永野:メンバーの中には、本で書かれている内容ならいっそう信頼できると考える人もいて、そういった方はまわりの先輩方が話している言葉よりも、本で語られている言葉の方が身に染みるそうですね。本の要約であれば、そういった方も改善点について真摯に受け止めやすく、さらなる成長をめざそうという姿勢につながるのではないでしょうか。

私自身、今のトレンドを踏まえた本にふれることで、感覚的に捉えていた世代間ギャップの実態について、ヒントを得ることも多かったです。そういった知識は最新の本で紹介されていることも多いため、新しい知見をすぐに得られるというのは大きいですね。自分自身の考え方のアップデートにもなっていると感じています。

利用対象を全員に近いかたちへと広げていきたい

――最後に、今後のflierの活用に向けた思いをお聞かせください。

長谷川:いまは対象者をマネージャーに絞った使い方をしていますが、利用対象を全員に近いかたちへと広げていきたいと考えています。人を育てていく能力やコミュニケーション能力は若い方にとっても必要な力だと思っているからです。若いうちから幅広い知見にふれることで、階層問わず、会話の質が全体的に上がっていき、お互いを理解しあえるようないい関係が構築しやすくなると思います。あとは、マネージャー層ばかりが頭でっかちになって、若手が置いていかれるような状況も避けたいですしね。若手の方から「○○課長、あの本を読んだみたいですね」と笑いが起きてもいいと思っています。お互いの認識を分かち合えるほうが、チーム力が向上し、個々人の働きがいを高めていくと考えていますから。

永野:チームで何かを決めるときに、「フライヤーにこんな本あったよね」というお互いの共通認識があれば、決まった事柄に対して納得感が出てくると思います。誤った伝わり方を避けることにつながり、共感性を高めることにもつながるかもしれませんね。実際に、マネージャー層から若手にも利用してほしいという声も多かったので、私も広げていきたいと思っています。

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