コミュニケーション研修とは?対象ごとの内容を解説
企業活動の中では、どんな立場の社員であれ、さまざまな年代や立場の人たちと交流する必要があります。コミュニケーション能力は若手だけでなく、ビジネスの中心にいる管理職やリーダーにとっても重要なスキル。コミュニケーションの質によってビジネスの成果が大きく変わるため、誰もが学んでおく必要があるスキルといえるでしょう。
今回はコミュニケーション研修について、階層ごとの違いや目的を含めてご紹介します。
要点1 |
コミュニケーション研修は、企業にとって重要な研修の1つ |
要点2 |
新入、若手社員だけでなく、すべての階層に合った研修がある |
要点3 |
研修にとどまらないコミュニケーションの向上にはflier法人版を |
目次[非表示]
- 1.コミュニケーション研修とは?
- 2.コミュニケーション研修をする目的とは?
- 2.1.組織の生産性を向上させる
- 2.2.離職率と社員定着率を改善する
- 2.3.取引先やクライアントとの関係性を向上させる
- 3.対象ごとに最適なコミュニケーション研修の内容とは?
- 3.1.「ホウ・レン・ソウ」研修 |新入社員〜若手社員
- 3.2.「フォロワーシップ」研修 | 新入社員〜若手社員
- 3.3.「アサーティブ・コミュニケーション」研修 | 新人リーダー
- 3.4.「チーム・ビルディング」研修 | 現場リーダー〜中間管理職
- 3.5.「コーチング」研修 |管理職
- 4.コミュニケーション研修設計の流れ
- 4.1.目的を定める
- 4.2.対象者を決める
- 4.3.目的を達成する、研修の内容を決める
- 4.4.対象者に周知をしてスケジュールを決める
- 5.読書を活用した、コミュニケーションの活性化
- 6.対象と目的にあった、最適な施策設計を
コミュニケーション研修とは?
コミュニケーション研修とは、一般社員や管理職などそれぞれの立場の社員が正しいコミュニケーションを取れるように学ぶ研修を指しています。
コミュニケーション能力=口数の多さと考えている人は少なくありませんが、それほど単純なものではありません。また、会社の中で多様な役割を果たす人ほど、柔軟なコミュニケーションが求められます。
『人は話し方が9割』
コミュニケーションにまつわる書籍も多々出版されていますが、話し方のみならず、”聞き方”に焦点を当てた論調も多くあります。ビジネスにおいても、いわゆる“口が達者”なだけでは不十分なケースが多いのではないでしょうか。
上手に意思を伝えられない、コミュニケーションの本質を誤って認識しているといった問題は、社内の立場に関係なく、よくある課題です。業務を円滑に進めるためにも、すべての社員が積極的に研修を受けてコミュニケーションを学んでいく必要があるでしょう。
コミュニケーション研修をする目的とは?
ビジネスにおける円滑で活発なコミュニケーションは、多くのメリットをもたらします。具体的にどのような効果を目指してコミュニケーション研修を行うべきか、代表的なものをご紹介します。
組織の生産性を向上させる
社員同士の円滑なコミュニケーションは、会社組織全体の生産性を大きく向上させます。意思の疎通が図りにくい状態、いわゆるコミュニケーションコストが高い状態は、社員に無駄な労力を負わせることになります。
また誰が担当するか分からない仕事が放置されてしまったり、反対に複数人が同時に着手したために作業が無駄になることも少なくありません。
円滑なコミュニケーションはこうしたトラブルを防ぎ、限られた社内リソースを適切に運用することに繋がります。
離職率と社員定着率を改善する
社員を長く会社に定着させるための方策として、コミュニケーションの充実は必要不可欠です。人間関係を理由とした離職は男女問わず高い割合を占めていますが、その中には正しいコミュニケーションによって解決可能だったケースも少なからず含まれているでしょう。
悩み事や相談事を気兼ねなく話せ、お互いの人となりを知ることのできる関係性を築くことは、会社勤めをする上で大きな安心感に繋がります。 そのためには、現場の担当者から管理職に至るまで多様な階層のメンバーが高いコミュニケーション能力を身に着けていることが望ましいです。
『タイプがわかればうまくいく! コミュニケーションスキル』
コミュニケーションのタイプ、やり方は人によって異なり、それぞれに対しても適切な方法があります。こういった認識を社内で育てることで、メンバー間での意図のすれ違いや、トラブルを防ぐことに繋がります。
取引先やクライアントとの関係性を向上させる
コミュニケーションの改善は、取引先や顧客との関係性を向上させます。社内ではある程度カジュアルな話し方であったとしても、社外に対しては礼節をわきまえたコミュニケーションが求められます。
適切な言葉遣いや頻度でコミュニケーションをとることで、お互いに敬意を持った関係を維持できるようになるでしょう。
『これからのテレワーク 新しい時代の働き方の教科書』
また、近年ではオンラインでの商談や取引が行われることも一般的になりました。対面でのやり取りに慣れた方ほど、テレワークに苦労することもよくあるようです。テレワーク時代のマルチコミュニケーション、つまりは社内外関わらずさまざまな相手と、多岐に渡るチャネルを利用してのコミュニケーション観点からも課題が語られています。
対象ごとに最適なコミュニケーション研修の内容とは?
コミュニケーション能力の向上は、社内・社外問わず他人と触れあう上で、非常に重要な要素といえます。またコミュニケーションは、立場によって求められる質が変わります。新人なら新人としてのコミュニケーション、中堅層なら中堅層としてのコミュニケーションを適切に行うことで、より円滑で快適な関係を築けるようになるでしょう。
ここでは、それぞれの立場でどのようなコミュニケーションが求められ、どのような研修が効果的なのかをご紹介します。
「ホウ・レン・ソウ」研修 |新入社員〜若手社員
新入社員から入社数年の若手社員に重視したいコミュニケーションは「報告」「連絡」「相談」について。いわゆる「ホウ・レン・ソウ」です。
若手のうちは、現在自分がどんな仕事をしているかを周囲に知ってもらうのが大切。そのためにも業務の進捗を責任者に報告し、共有すべき情報を関係するメンバーに連絡し、不明点は小まめに相談する姿勢を身につけることが求められます。
「フォロワーシップ」研修 | 新入社員〜若手社員
チームの一員として働く際に意識しておきたいのが、自らの役割を積極的に果たし、チームリーダーの活動をフォローする「フォロワーシップ」です。
フォロワーシップの意識は、部署やチームの中堅に位置する社員に強く求められます。個人での成果に囚われず、上司を支え、末端社員との架け橋となるのが中堅社員の役割。チームとしての大きな成果を導き出す要素として、社員同士のハブとなる中堅社員のフォロワーシップが重要視されています。
「アサーティブ・コミュニケーション」研修 | 新人リーダー
相手と反対の意見や問題点の指摘など、伝えにくい内容を相手を尊重しつつ伝えるための方法が「アサーティブ・コミュニケーション」です。チームリーダーは関係者に対し、伝えにくいことも口にしなければなりません。そのため相手を尊重し、悪印象を残さないアサーティブ・コミュニケーションの手法は、リーダーにとって非常に重要な技術であるといえます。
アサーティブ・コミュニケーションの応用力は高く、普段一緒に働いているメンバーだけでなく、他部署との交渉や顧客との商談など、さまざまな場面で役立つスキルです。
「チーム・ビルディング」研修 | 現場リーダー〜中間管理職
大きな仕事を成し遂げるためにはチームでの活動が不可欠です。チームとして集まったメンバーが団結し、それぞれの得意な分野で活躍できれば、大きな成果を挙げることができるでしょう。
そんな成果を挙げるチームを作り上げる「チームビルディング」は、より会社の中枢に近い位置でビジネスを考える中間管理職に求められる考え方です。
「コーチング」研修 |管理職
管理職の重要な役割のひとつに、部下の育成があります。目的を持って自主的に働ける部下の育成は、多くの企業にとって大きな課題です。部下の意識をよりよい方向に導き、意欲的に働ける環境を整えるためにも、管理職は「コーチング」の技術で部下の問題解決を促し、意識の向上させていくことが求められます。
コーチングの多くは上司と部下の対話で行われるため、上司には非常に高いコミュニケーション能力が求められます。
コミュニケーション研修設計の流れ
効果的なコミュニケーション研修を実施するには、適切なプログラム設計が必要不可欠です。社員の役職や立場によって研修で目指す目的は異なりますので、何のために・誰に向けて行うか、目的を明確にすることが重要です。
目的を定める
まずは何のために研修を行いたいか、研修の目的を明確にしましょう。若手向けに基礎的な教育をしたいのか、中堅社員へリーダーとしての教育をしたいのかなど、目的によって内容と対象が大きく異なります。
対象者を決める
研修内容を決定した後は、対象者を決めましょう。同じ中堅社員を対象とした研修でも、個々の社員のレベルによって内容は異なります。どんな状態の社員をどこまで成長させたいのか、研修の目的にあった対象者を選びましょう。
目的を達成する、研修の内容を決める
対象者が決定されたら、具体的な研修の内容を決めましょう。課題は人によって異なるため、万人向けのプログラムが必ずしも適切であるとは限りません。個々の状況に応じて着地点を定めることで、より高い成果を得ることができるでしょう。
対象者に周知をしてスケジュールを決める
対象者と研修内容を決定したら、最後はスケジュールを決めて研修を行いましょう。一方的に日程を伝えるだけでなく、何のための研修であるか対象者に周知することが大切です。受講者のモチベーションを落とさないためにも、通常業務に影響が出ないよう、所属部署との調整も含めたスケジュール調整が求められます。
読書を活用した、コミュニケーションの活性化
最後に当社フライヤーが提供するサービス「flier法人版」を活用した管理職研修についてご紹介いたします。
flier法人版は、2,600冊を超えるビジネス書籍の要約を自由に閲覧できるサービスです。ビジネス上のさまざまな課題解決の糸口となる書籍を取り揃えており、コミュニケーション研修の題材としてもご活用いただけます。
若手の基礎的なコミュニケーションから管理職のコーチングまで、コミュニケーションの課題にリーチする豊富なラインナップが揃っています。それぞれの本は約10分で読み切れるボリュームに要約され、隙間時間でもインプットが可能。コミュニケーション上の課題を意識できるまで何度でも繰り返し読めるでしょう。
管理者アカウントでは各メンバーの読書履歴の確認が可能です。課題図書の読書履歴から研修の進捗度を分析しやすく、また読書履歴からどんな課題を抱えているかの分析も容易です。適切なコミュニケーション研修となるような設計をしやすいのも、flier法人版ならではの魅力です。
バリエーション豊かなビジネス本を活用したコミュニケーション研修には、ぜひflier法人版のご活用をご検討ください。
対象と目的にあった、最適な施策設計を
社内の情報伝達速度を加速させ、大きな成果を出すためにはコミュニケーション能力の育成が不可欠です。コミュニケーション能力は立場やキャリアによって求められる内容が変化するため、目的に応じた適切な研修の実施が重要です。
コミュニケーション能力の高い人材は、企業にとって何物にも代えがたい貴重な財産となってくれます。コミュニケーション能力の育成には非常に手間と費用が掛かりますが、その効果は絶大です。会社の未来を育てるためにも、ぜひ適切な設計のコミュニケーション研修を実施しましょう。
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