優秀な人材の採用にも寄与!ユニークな福利厚生の事例
企業にとって優秀な人材の確保は重要な課題です。優秀な働き手を獲得するため、多くの企業はユニークな福利厚生を導入し、従業員にとって働きやすい環境を整えています。
その内容は生活を支援するものに留まらず、コミュニケーションやプライベートでの活動をサポートするものまでさまざまです。特に近年、新型コロナウイルスの影響で集合型学習ができなくなった結果、増加しているのは、従業員のスキルアップを意識した福利厚生。従業員の自発的な学習を促し、会社全体の業績アップにつなげています。
今回は、福利厚生の目的と、ユニークな福利厚生を導入する企業の事例を紹介します。ぜひ福利厚生制度の参考にしてください。
要点1 |
ユニークな福利厚生制度は企業の魅力となり、採用に役立つ |
要点2 |
多くの企業が、従業員のニーズを反映したユニークな福利厚生施策を設けている |
要点3 |
学習支援を目的とした福利厚生には「flier法人版」 |
目次[非表示]
そもそも福利厚生とは?
福利厚生とは、企業が従業員に提供する報酬のうち、賃金に該当しない部分をさしています。福利厚生は「法定福利厚生」「法定外福利厚生」の2種類に分類されます。
法定福利厚生
法定福利厚生は、事業者が従業員に提供することが法的に定められた福利厚生です。費用に関しては、事業者の全額負担のものと、事業者と従業員が折半するものがあります。
法定福利厚生には、主に以下が該当します。
健康保険
厚生年金保険
雇用保険
介護保険
労災保険
子ども・子育て拠出金
法定外福利厚生
法定外福利厚生は、会社が独自に実施している福利厚生です。法的に費用を負担する義務はありませんが、従業員の定着率向上や労働効率向上を目的とし、多くの企業が費用を負担して導入しています。
法定外福利厚生の代表例は以下の通りです。
交通費
住宅手当
家族手当
健康診断制度
特別休暇制度
また近年では、独自の福利厚生制度を導入している企業が増加。企業の特色を生かしたユニークな福利厚生が誕生しています。
優秀な人材の獲得に寄与する、ユニークな福利厚生制度
近年多くのユニークな福利厚生が誕生し、メディアなどで話題となっています。一般的な福利厚生に加えて導入される独自の福利厚生は、従業員の満足度向上につながり、優秀な人材の確保にも影響します。
福利厚生は、企業から従業員へのメッセージです。従業員に伝えたい思いを踏まえた制度設計こそが、従業員満足度を上げる福利厚生につながるでしょう。
ユニークな福利厚生制度の企業事例
実際に各企業では、どのような福利厚生が導入されているのでしょうか。ユニークな福利厚生の事例を紹介します。
休暇取得支援型の福利厚生事例
「ルーラ制度」:CROOZ(クルーズ)株式会社
ECサイト事業を展開するCROOZ株式会社では、勤続丸7年以上の社員を対象に、15万円の旅行代金と5日間の特別休暇をプレゼントしています。
「ルーラ」とは、ゲーム「ドラゴンクエスト」に登場する、一度行った町に一瞬で移動できる呪文です。人気ゲームのシステムになぞらえた名称にすることで、定着しやすく、申請が楽しくなりそうですね。
なお、制度の名称はルーラですが、一度も行ったことがない国や観光地への旅行にも利用できるそうです。
「グレートジャーニー制度」:株式会社CRAZY
オーダーメイドウエディングのプロデュースを手がける株式会社CRAZYでは、長期休暇の長さを自由に設定できる「グレートジャーニー制度」を設けています。
設定できる休暇期間に上限はありません。「働くことも、休むことも、自分の意志で決める」というスタンスのもと、年間の公休数を自由に設定し、従業員が必要と感じる分の休暇を取得します。
この制度を利用した休暇の間は無給扱いとなりますが、多くの従業員が積極的に制度を利用し、満足度アップにつながっているといいます。
育児支援の福利厚生事例
「出産お祝い金」:株式会社バンダイナムコビジネスアーク
玩具総合メーカーの管理業務を担う株式会社バンダイナムコビジネスアークでは、第1子・第2子出産時には20万円、第3子以降には200万円の「出産お祝い金」を支給しています。
出産・育児によるキャリア断絶などを心配し、なかなか出産に踏み切れない方も多いもの。この制度は、社員から大きな支持を受けています。
「キッズスペース付きワークスペース展開」:株式会社ママスクエア
コールセンター事業、バックオフィス事業を展開する株式会社ママスクエアでは、全国に託児所付きのオフィスを展開。妊娠・出産後の社会復帰や仕事と子育ての両立をサポートします。
出勤した社員は、ワークスペース隣のキッズスペースに子どもを預け、日中は通常の業務にあたります。昼は隣接のカフェで子どもと一緒に食事をとり、仕事が終わると一緒に退勤できるそう。
また同社には「何かあってもお互い様」という文化があり、仕事はもちろん、子どものケアにおいても、相互にサポートし合うことができているようです。
食事補助の福利厚生事例
「オフィスおかん」:株式会社SMBCモビット
新型コロナウイルスの感染拡大により、気軽な外食がしにくい昨今。株式会社OKANが提供する社食制度「オフィスおかん」がますます注目を集めています。
オフィスおかんを導入した株式会社SMBCモビットでは、コールセンタースタッフの食事に関する課題を解決できたそうです。さまざまな雇用形態のスタッフがシフト制で働くコールセンターでは、店舗のランチタイム営業中に食事時間がとれないスタッフもいました。そこでオフィスおかんを導入したところ、安価で栄養価の高い食事がとれるようになったという喜びの声があがっているとのこと。
「チケットレストラン」:株式会社エージェントグロー
システムエンジニアリングサービスを展開する株式会社エージェントグローでは、株式会社エデンレッドジャパンが提供する「チケットレストラン」を導入。社員が専用のカードで支払った食事代金の一部を会社が負担しています。
チケットレストランが使える店舗はレストランからコンビニまで幅広く、社食のように場所が限定されません。そのため、リモートワーク時にも食事のサポートを受けられる上、社員同士のオンライン飲み会などのコミュニケーションにも役立っているそうです。
女性の活躍を支援する福利厚生事例
「macalon(マカロン)パッケージ」:株式会社サイバーエージェント
インターネットの総合企業である株式会社サイバーエージェントでは、女性の活躍を後押しする総合的な福利厚生制度「macalon(マカロン)パッケージ」を設けています。
女性特有の体調不良時に利用できる月1回の休暇「エフ休」、専門家に妊娠に関する相談ができる月間30分のカウンセリング「妊活コンシェル」、子どもの看護時に在宅勤務できる「キッズ在宅」など、女性の活躍をサポートするさまざまな制度が導入されています。
「女性の職域拡大」:株式会社スーパーホテル
大阪を中心にホテルチェーンを展開する株式会社スーパーホテル では、女性の職域の拡大に取り組んでいます。女性の職域は、現場でのフロントや接客業務が中心となっていたそうですが、営業やコンサルティング、企画などの業務への進出を後押ししています。
また、関連企業が運営する企業主導型保育園の活用をサポートし、保育費の大半を会社側で負担することで、キャリアと育児を両立できるようにサポートしています。
結果として、本部での女性スタッフや女性管理職の人数増加につながっているようです。
社内コミュニケーションを促進する福利厚生事例
「8(はち)活」:株式会社ウエディングパーク
ブライダル事業を手がける株式会社ウエディングパークでは、朝8時までの出勤をポイントとして評価する「8(はち)活」により、早朝出勤を支援しています。
ポイントがたまった社員には無料の朝食を提供することで、「朝食パーティ」といった社内コミュニケーションが生まれました。また早朝の時間を活用した「朝ヨガ」などのサークル活動も行われているそうです。
「スマイル給」:株式会社カヤック
コンテンツ制作会社である株式会社カヤックでは、社員同士が褒め合う「スマイル給」制度を導入しています。
毎月全社員に対し、褒める対象とする社員をひとり割り当て、1か月間観察して見つけた長所を「○○給」と名付け、給与明細に記載されます。実際の給与額には影響しませんが、○○給の内容は社内ツールで共有され、社員同士のコミュニケーションのきっかけとして活用されています。
学習を支援する福利厚生事例
「新・働き方宣言制度」:サイボウズ株式会社
クラウドベースのグループウェアを開発・販売するサイボウズ株式会社では、社員が自分で勤務場所や時間を決められる「新・働き方宣言制度」を導入しています。
社員はライフステージの変化に応じて、曜日ごとの残業の可否、在宅ワークをする日など、勤務スタイルを自分で決め、チーム内で宣言する仕組みです。また、習い事やセミナーなどに参加するための早退も認められているそうです。
「勉強休暇」:株式会社ツナグ・ソリューションズ
アルバイト・パート専門の採用コンサルティング事業を展開する株式会社ツナグ・ソリューションズでは、年1回・5日間を上限とする「勉強休暇」を付与。勉強資金援助として、最大10万円を支給しています。
取得希望者は、学習がどのように業務に役立つかを本部長会でプレゼンテーションし、承認を受けます。また休暇取得後には、学習内容や結果を社内ブログで共有し、知識と経験をシェアすることも義務づけられます。
社員の自発的な学習を促すこの制度は、社内でも好評で、従業員の利用率も上々だそうです。
「従業員の読書を支援」:株式会社ノーリツ
福利厚生の先進的な企業として知られる株式会社ノーリツでは、2,700冊以上の本の要約が読める「flier法人版」を導入することで、社員の学習を促進しています。
flierはスマートフォンなどで気軽に読めるため、忙しい社員でもスキマ時間を活用して学習することが可能です。同社では、flierを利用した座談会が自然発生的に開催されており、人材開発の一環としても利用されているそうです。
読書を活用した福利厚生とは?
最後に当社フライヤーが提供するサービス「flier法人版」を活用した福利厚生をご案内いたします。
flier法人版は、2,700冊を超えるビジネス書の要約を自由に閲覧可能できるサービスです。ビジネス書を、1冊あたり約10分で読める内容に要約しており、スキルアップに必要なポイントを短時間でインプットできます。
flierに掲載されている要約は、そのすべてが著者や編集者のチェックを通した質の高いものであることから、企業規模を問わず、さまざまな企業で導入が進められています。
まとまった時間を確保しにくい育休中の従業員や、情報が入手しづらい地方勤務の従業員からも、手頃な勉強手段として喜ばれている「flier法人版」。学習支援を目的とした福利厚生をご検討の企業様は、ぜひこちらの資料をご覧ください。
ただユニークなだけではない、ニーズに合った制度設計を
従業員の満足度を上げるため、さまざまな形式の福利厚生が誕生していますが、ただユニークなだけでは福利厚生としての役割を果たしません。
福利厚生は、従業員と企業の信頼関係を向上させ、双方が気持ちよく働ける関係を築くためのものです。企業が従業員に求めるものと同時に、従業員が企業に求めているものを明確化したうえで、最適な仕組みを導入しましょう。
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