営業担当者必読の17冊:顧客満足向上の入門書からトップセールスの極意まで
各企業にある営業部門、新型コロナウイルス感染拡大に伴う事業環境の激変を背景に、商品やサービスの売り方、ニーズも大きく変化しています。
そうした中で今営業に求められることはなんでしょうか?コロナ禍による働き方や生活様式の変化を踏まえて新たに求められるスキルもあれば、以前と変わらぬ売上アップの定石や心構えもあります。
ごまんとある営業の関連書、「何から読んでいいかわからない」あるいは「最新のトレンドを知りたい」といった要望に合わせた17冊を、フライヤーの要約からご紹介します。
要点1 |
これさえ読めば顧客との対話が円滑に 入門者向けの6冊 |
要点2 |
伸び悩む売上と自分にお別れ 中堅クラス向けの6冊 |
要点3 |
チームをまとめ上げる力を養う 営業幹部向けの5冊 |
目次[非表示]
- 1.これさえ読めば顧客との対話が円滑に 入門者向けの6冊
- 1.1.『トップセールスが使いこなす!“基本にして最高の営業術”総まとめ 営業1年目の教科書』
- 1.2.『Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術』
- 1.3.『すべての営業のための絶対達成バイブル』
- 1.4.『営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて』
- 1.5.『普通の人でも確実に成果が上がる営業の方法』
- 1.6.『1からのマーケティング The 1st step of marketing』
- 2.伸び悩む売上と自分にお別れ 中堅クラス向けの6冊
- 2.1.『アフターコロナのマーケティング戦略 重要ポイント40』
- 2.2.『無敗営業 チーム戦略』
- 2.3.『できる営業は、「これ」しかやらない 短時間で成果を出す「トップセールス」の習慣』
- 2.4.『1分で話せ』
- 2.5.『買いたがる脳 "なぜ、「それ」を選んでしまうのか?"』
- 2.6.『気持ちよく人を動かす』
- 3.チームをまとめ上げる力を養う 営業幹部向けの5冊
これさえ読めば顧客との対話が円滑に 入門者向けの6冊
まずは、営業部門に配属されて間もないビジネスパーソン向けに、営業の基礎が分かる入門書を5冊ご紹介します。
トップの営業成績を誇る憧れの先輩も、最初はみんな新人でした。そんな先輩たちも読んでいたにちがいない、営業のいろはが学べる良書ばかりです。これさえ読んで励行すれば営業での不用意な失敗、無用なトラブルは避けられるとともに、顧客の好感を呼ぶことでしょう。
『トップセールスが使いこなす!“基本にして最高の営業術”総まとめ 営業1年目の教科書』
"売れる営業は「この基本」をおさえている!"とうたっている通り、本書では売れる営業の「身だしなみ」や「トーク」、「ツール」といった営業担当者としての素養が身につきます。
「見積書は2ステップで出す」といった実践的なノウハウが、豊富なイラストとともに紹介され、営業1年目にぴったりです。営業畑で数年経験したビジネスパーソンも、時々読み返して基本に立ち戻るのに適した一冊です。
『Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術』
次にご紹介するのは、『Sales is』です。
「セールスとは……」というタイトルの通り、営業担当者が心得るべきポイントが端的にまとめられた一冊で、著者は1100社、12000商材で実績を上げてきたセールスエバンジェリストの今井晶也氏です。 「新規営業においては、営業力を上げるより、ターゲットリストをメンテナンスするほうが効率的」「お客様と一緒に課題解決を図るファクトファインディング」といった明日にも役立ちそうな、実践的な営業ノウハウが満載です。
『すべての営業のための絶対達成バイブル』
本書はまず、「目標達成はあたりまえ」「最低でも目標達成」と意識の変革を促します。
それではどうやって達成するのか。必須のビジネススキルとして、「概算力」が大切だと説きます。すなわち、営業の現場で能動的に大量のアプローチをこなし、そのうちのリターンがどの程度かというコンバージョン率が分かります。この数字感覚を大ざっぱにつかむ感覚こそ大切だと言います。
「すべての営業のための」と銘打つ本書は、入門者に限らず、チームを引っ張るリーダーやマネージャーにもおすすめです。
『営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて』
本書は、野村證券でかつてトップセールスを記録し、現在は金融メディアプラットフォームを手掛けるZUUの代表、冨田和成氏による営業の指南書です。
自身が証券会社に勤めていた頃、飛び込み営業をするもぞんざいに扱われた苦い経験などをもとに、望ましい営業の在り方を示しています。
理想の営業に必要なのは、仮説思考力、因数分解力、確率論的思考法、PDCAを回し続ける力の4つだと言います。副題には「伝説の営業マン」という言葉が躍りますが、内容は極めて合理的で実践的な一冊です。
『普通の人でも確実に成果が上がる営業の方法』
「とは言え、自分はトップセールスにも伝説的な営業にも程遠そうだなあ……」
そんな心配をする必要はありません。本書は「普通の会社の、普通の営業担当者」が使いこなせる営業テクニックが満載です。
営業の質を高めるか、それとも量を増やすべきかといった、現場でぶち当たる悩みに対し、「結局どちらも追求すべきだ」と正面から答え、その理由とやり方を順序立てて説明してくれます。「営業は断られてからが勝負だ」といった顧客との関係構築の仮説ストーリーの立て方なども参考になることでしょう。断られたからといって諦め、そこに潜む商機を見逃していませんか。
『1からのマーケティング The 1st step of marketing』
営業を担当するとマーケティングという言葉を耳にする機会も増えるはずです。
「営業とマーケティングってどう違うの?」と初歩的な疑問を持ち、ついネットで検索したことがあるような方に、本書は特におすすめです。
タイトルに「1からの~」とある通り基礎的な内容であり、大学の教科書にも使われてきた一冊です。マーケティングの歴史から概念、市場の定義や分析手法など、基本が幅広く身につきます。
伸び悩む売上と自分にお別れ 中堅クラス向けの6冊
続いては、営業部門に携わってある程度の年月を経た中堅クラスの方向けの好著をご紹介します。
すでにご自身の営業スタイルが確立している方も多いかと思いますが、コロナ禍でオンラインによる会議や商談が一気に増え、以前と勝手が違うといったお悩みもあるでしょう。逆境を跳ねのけ、さらなる成果を出し続けたいあなたの背中を、そっと押してくれる5冊です。
『アフターコロナのマーケティング戦略 重要ポイント40』
新型コロナウイルスの感染拡大で一変したビジネス環境。変革の波は営業の現場に押し寄せ続けています。
マーケティングに精通した2人が著した本書は、「コロナ禍で大きな変化が急激に起こったというより、それまでの変化が加速しただけだ」と、この変化の波を冷静に捉えています。デジタル化によって起きている変化に対する誤解を諫めつつ、顧客の変化にいち早く気付けるような備えの重要性を訴えています。
『無敗営業 チーム戦略』
本書はベストセラーとなった『無敗営業』のシリーズ第2弾です。コロナ禍で商談先の多くがオンラインによる面談を望む昨今においても通用する、そしてチーム全員が信じられる「勝ちパターン」を構築する必要性を説いています。「段取り」と「納得感の醸成」といったオンライン商談成功の秘訣など、コロナ禍を勝ち抜く無敗の鉄則が学べます。
オンラインでの営業に抵抗や課題を感じていた方にとって、示唆に富んだ一冊です。
『できる営業は、「これ」しかやらない 短時間で成果を出す「トップセールス」の習慣』
電話やメールで果敢に顧客にアプローチしても結果は散々……一方、結果を出している同僚を見てみてください。全く違うアプローチをしているかもしれません。
営業力に定評のあるリクルートグループで全国トップの表彰をたびたび受賞した著者が提案するのは、「テレアポ」や「飛び込み営業」といった旧来型の営業スタイルから脱却し、コロナ禍に即応した営業スタイルです。たとえば、顧客に電話をかけた後、電話中にオンラインツールのURLを送ってそのまま面談に持ち込むといった、すぐに使えそうな実践的な営業術を紹介しています。
『1分で話せ』
「顧客接点から関係を築いてようやく提案機会に漕ぎ着けた。さて……」とせっかく自社の商品やサービスをアピールできる段になって、思いあぐねてしまった経験はありませんか。本書はタイトル通り、「1分で」伝えるためのプレゼンスキルを中心にまとめ、実際に想定される直面しそうなさまざまなシーンが描かれています。プレゼンの目的は「人を動かす」ことにあり、プレゼンにおける結論は「相手をどこに動かすか」といった押さえるべきポイントが理路整然と綴られています。
ソフトバンクの孫正義氏にもプレゼンをして認められた百戦錬磨の著者から、プレゼン力の極意を会得しましょう。
『買いたがる脳 "なぜ、「それ」を選んでしまうのか?"』
次は、顧客の購買心理を脳科学から読み解く一冊です。購買時の思考プロセスを脳の働きから解き明かします。
セールスの本質は「問題解決」であり、その構成要素は「課題」、「方法」、「目標」の3項目に分類されると説き、「脳」へ売り込むアプローチを紹介しています。曰く「あなたの考えはお見通しです」。
顧客が自社の商品・サービスを購入したいと考えている時、脳内ではどんな変化が起きているのでしょうか。顧客側の心理や脳内変化を知っておくことは、営業戦略を練る上できっと役立つことでしょう。
『気持ちよく人を動かす』
続いては、先述した『無敗営業 チーム戦略』の著者・高橋浩一氏の『気持ちよく人を動かす』をご紹介します。
これまで3万人以上の営業強化支援に携わってきた営業のプロである著者は「人は仕事の4割以上を"誰かに動いてもらう活動"に当てている」と指摘します。そのうえで、人に動いてもらうためのコツを惜しみなく伝授してくれています。 製品やサービスは優れていて好条件は揃っているはず。なのになかなか相手の了解が得られない……。そうしたお悩みを抱えているセールスパーソンに、優しく寄り添う一冊です。 「人は基本的に変化を嫌うため、メリットのある提案を受けても簡単には動かない」と分析する本書。ではどうすればよいのでしょうか。答えが気になる方はぜひご一読ください。
チームをまとめ上げる力を養う 営業幹部向けの5冊
次は、チームを引っ張っていくリーダー、ひいては次代の経営幹部として営業に携わる方々にお読みいただきたい5冊です。
多くの場数を踏み、基礎や応用力は申し分ない頼れるリーダーは、チーム全体の調和を図りつつ、自身のノウハウや経験をメンバーに伝授し、チーム一丸の営業力を高める手腕が問われます。紋切り型のハウツー本などではなく、優れた営業を行う人物や企業からその要諦を学べる良書に日ごろから触れ、精神論や経営哲学を自らに取り込むことも必要となるでしょう。
顧客を、ニーズを本当に大事にするとはどういうことか、そしてそれをチーム内に浸透させるにはどうしたらよいか――。日々頭を捻るリーダーの皆さんのヒントになる言葉や気づきがきっと見つかるはずです。
『SALES GROWTH(セールス・グロース)』
マッキンゼー・アンド・カンパニーの知見とデータを駆使し、営業を科学的に分析した本書は、2012年の初版発売以降、世界中のセールス・エグゼクティブの間で定評があります。ビッグデータのようなデジタルツールの進化に即応し、新市場への投資、埋もれたニーズの掘り起こしの重要性を喚起しています。
世界屈指のマッキンゼー流ビジネスの神髄が詰まった好著、ぜひ精読されることをおすすめします。
『「顧客消滅」時代のマーケティング ファンから始まる「売れるしくみ」の作り方』
顧客消滅、需要蒸発……新型コロナウイルス感染拡大を受け、そのような言葉が取り沙汰される機会が増えました。そうしたコロナ禍でも堅調な経営を続ける企業の特徴は、ストック型ビジネスであると本書は説きます。そのストック型ビジネスの展開に当たっては自社を熱烈に愛顧する「ファンダム」の形成が重要だといい、そのために顧客リストを入念に作り込み、精緻化していくたゆまない努力が求められます。
コロナ禍を機に、自社の顧客層ターゲット層や提供価値の再検討を、本書とともに進めてみてはいかがでしょうか。
『ファンベース 支持され、愛され、長く売れ続けるために』
上記で紹介した「ファンダム」に関係の深い話として、本書はファンをいかに大切にしていくかについて得々と説いています。ファンをつくろうとして陥りがちな落とし穴などを、反面教師的に紹介しつつ、ファンが新たなファンを集めてくれるといったファンのありがたい効用や心理について解説します。
短期、単発のキャンペーンによる一時的な話題集めは通用しない時代であると言います。過去の成功体験に囚われず、ファンとともにイノベーティブな取り組みを次々と打ち出す姿勢が求められています。
『売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門』
続いてご紹介するのは「顧客ロイヤルティ戦略」にまつわるノウハウがぎゅっと詰まった一冊です。入門と銘打ちながらも、経営者や幹部候補の営業リーダーが身につけておくべき顧客との向き合い方、心構えが記されています。
顧客満足(CS)は高いのに売上がなかなか伸びないと悩まれていませんか。本書にちりばめられた一工夫で劇的に改善するかもしれません。「顧客価値の最大化」すなわち「売上の最大化」と強調する本書は、顧客第一主義の経営、売上アップの羅針盤として読まれて損のない一冊です。
『売る力 心をつかむ仕事術』
最後はコンビニ、セブン-イレブン・ジャパンの創業者、鈴木敏文氏による顧客の心をつかむ経営哲学に触れてみましょう。本書では、お客様が次に求めるものを知るには「お客様のために」ではなく、「お客様の立場で」考えることが重要だと説き、答えはお客様のなかにあると同時に「自分」のなかにもあると言います。
変わりゆくニーズを捉えるための先見性を、稀代の経営者の洞察力から学んでみませんか。
以上、営業に役立つ17冊をご紹介しました。ぜひ要約をお読みになり、書籍を手に取ってみてください。
このほかにも、フライヤーは「製品企画、CS、ブランド、広告、販促、営業」にまつわる関連書の要約を多数取り揃えています。あわせてチェックしていただければ幸いです!
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